【黄昏】
夕暮れ時。
盛りを過ぎて終わりに近づこうとする頃。
人間のポテンシャルのピークは、肉体的なところでは20代が一番高い。
そのあとは死ぬまでずっと下がっていく。
20代の初々しい頃を過ぎたら、
僕らはずっと黄昏を歩いていくことになる。
長い長い黄昏だ。
しかしながらこの歌にネガティブな感情は込めてない。
「顔を上げて 新しい歌を口ずさんで
僕らは坂道をしっかりと下っていこう。」
40歳とはもっと大人だと思っていた(笑)。
誰しもがそうだと思うが、
結局考えていることなんて20代の頃と大差はない。
むしろいろんなことがわかってきた今、あの頃よりももっと大らかに、
要領よく、
そして大胆になることだってできる。
精神的なピークは死ぬまで右肩上がりだと僕は思っている。
筋肉というのは何歳からでも作ることができる。
(また筋トレの話かよと思った人、その通りだ。あなたも頑張ってみてください(笑)。)
何歳からでもだ。
60過ぎのボディビルダーだっている。
肉体の衰えは言い訳に過ぎないということだ。
巷に氾濫する音楽を前に、
何もかもが言い尽くされたと思っていた。
ここから降るいっぽうの坂道を前に、
色々なことを諦めなければならないと思っていた。
肉体が衰えてくることで、
どこかへ行こうなんて思えなくなるんだと思っていた。
この歌が教えてくれるのは、長い黄昏との付き合い方。
人生の中で一番長く付き合って行かなきゃならない黄昏という時間との向き合い方。
「燃えるような黄昏が目を覚まさせる。」
黄昏の中にこそ、
現実があり、
真実があり、
日常があり、
僕たちがある。
ずっとこのまま、
夢にまみれた時代を生きていたかったけど、
黄昏の中に、
本当の自分を見つけにいく必要がある。
今からが一番面白いところだ。
僕がMCで、今一番歌いたい歌だと言った理由はここにある。
僕の最も根幹にある歌だ。
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