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セルフライナーノーツ: Blog2
執筆者の写真吉田拓矢

抱きしめたい

この「抱きしめたい」は、

作詞家に歌詞を書いていただいた。

紙の上に記された文字であるが、

素晴らしい歌詞というのは既にメロディや曲の流れが付いている。

言葉ひとつひとつに「音」がある。

眺めていると、自然と歌が生まれてくるのだ。

僕が作りたかった曲のひとつに、ソウルミュージックがあった。

忌野清志郎が愛して止まなかったソウルミュージックだ。

これまでいろんな形で何度もソウルミュージックにトライするのだが、

どうしても思うようにいかなかった。

なにかが足りないといつも感じていた。

そんな気持ちを埋めてくれるかのように、

言葉がメロディを奏で、

そしてリズムを刻んだのだ。

きっとこの言葉たちはこう歌われる運命にあった。

なにか文章にしてしまうととても大層な感じになってしまうが(笑)、

でも本当にそうとしか言えない。

この詩は、自分のものにするまでにそう時間はかからなかった。

きっと、僕が歌うことを熟慮して書いてくださっているんだろう。

言葉たちがこちらを向いている気がしたのだ。

この歌に、刹那や湿っぽさや稚拙な感情はいらない。

割と鮮やかな身のこなしで「愛」を囁くといい(割と、というところがポイント)。

それぞれの立ち位置で、

乾いているようで実は少しウエットで、

サヨナラならばそれはそれで、

肩の力は程よく抜けていて、

ユーモアやジョークや本音がグラスの中で溶けあうくらいの、

時間でいうと午前1時30分くらいの(笑)、

ゴージャスなのに品が良い、 

そんな距離だ。

いつかこんな曲だけがあふれたアルバムも作ってみたい。


追伸

この後にくる「Message from the AIR」とのコントラストがまた堪らない。



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